追いはぎにあう
駆け抜けたような一週間であった。
それだけ自分の需要があったということなのだろう。
その最後の日に、私は夜遅くまで仕事場に残り、
自分へのご褒美と洒落込んで、甘い缶コーヒーを一本、
廊下の販売機から買い、
それを机の端に置いて、備忘録をつけていた。
ありったけのだらしない格好で、
ノートに鉛筆を走らせながら、
最後の気力を振り絞り、ブツブツと独り言をつぶやいていた。
その独り言が、
「あへえ、ひえいへいひへいいへええあえあえあえあえ。
いややややっやややややっやあややー」と、
悲鳴に変わった。
缶コーヒーを、ワイシャツとズボンに、ぶちまけてしまったのだ。
こんなことがあるから普段机の上にお茶は置かないことにしてるのに、
大失敗だ。
「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃああああああああ」
悲鳴は続く。
私は給湯室に駆け込むとハンカチに大量の水を含ませ、
着たままで、ワイシャツとズボンをこすり始めた。
脇腹と股がべちょべちょに水に濡れたが、今だ夏の名残ある季節ゆえ、
すぐに乾くだろうと、気にしないことにした。
そこへ、女のコが1人、給湯室に入ってきた。
よく見かけるが名前は知らない女のコであった。
彼女はすぐに事態を把握した。
「脱いでください」
いわれるがままに着てるモノを脱ぐと、白のブリーフ一枚になって
そこに突っ立つハメになった。
彼女は私が脱いだモノを抱え、廊下に出て、暗い階段を駆け上がっていった。
それから小一時間、私はそこで突っ立っていたのである。
が、いつまで待っても彼女は現れない。
そのとき、何故なのか、どう説明したらいいのか解らないのであるが、
唐突に”勃起”した。
この状態で先ほどの彼女がここに来たらそりゃ困る。
夜の給湯室で、勃起した男がうら若き女性から服を受け取る。
変な話だ。
いつまで待っても彼女はこない。
仕方なく事務所に戻り、カバンを持って、
駐車場まで歩き(幸い誰にも会わなかった)、帰宅したのである。












Comments
うみさんのお話は
どこまでが現実で どこからが想像世界であるのか
その境目がわからない
のが普通ですが
今日も
給湯室で 知らない女性がくること自体が
少しおかしい
このビルは寄り合いビルで
給湯室は共同だとすれば
うみさんが知らない人がいても
不思議はないかもしれない
とはいえ
ここは通りじゃないんだから
やはりちょっと不思議…
え この女性が泥棒…
っていうか これは詐欺
はははは やっぱりやられたか…!!
いえいえ うみさんが 詐欺にやられたか
じゃなくて
読者のぼくが うみさんにしてやられたか!?!?
ってことです
Posted by: hawk | 09/17/2006 at 02:45 PM
女性の登場は唐突すぎましたか?
でもココまでが事実。
自分の説明不足。文書力のなさを痛感。
共同の給湯室に、他の事務所の女性が来たのですけど、そこらあたりの描写をもっと書くとよかったかも・・・。
Posted by: (hawyさま)うみ | 09/19/2006 at 01:13 AM